編集者座談会
EDITOR’S
ROUNDTABLE
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漫画編集者の「実態」に迫る。
入社2年目の若手からベテラン編集者までが本音を語る座談会。
新福恭平
2009年、医療系出版社のアルバイトから編集者に。2011年、株式会社マッグガーデン入社後、漫画編集者としてのキャリアをスタート。在籍中には累計1000万部を突破した『魔法使いの嫁』や、海外から高い評価を得る『とつくにの少女』や『PSYCHO-PASS』のオリジナルスピンオフ等を立ち上げ担当。当社でも引き続き『魔法使いの嫁』の担当編集者を務める。
佐藤太智
2014年、株式会社ワニマガジン社に新卒で入社し、漫画編集者としてのキャリアをスタート。成年向け漫画をメインに手掛け、2019年に『イジラレ』(作・愛上陸)を担当し、小説化、OVA化、フィギュア化などを経験する。2020年に『COMIC失楽天』の編集長に。2024年にブシロードワークスに入社。編集歴11年目。
齋藤若菜
2023年、新卒でブシロードに入社。初期配属先のTCGユニットマーケティング部マーケティングチームを経て、BWK設立時に異動。雑誌編集部を経て、現在漫画編集職に。編集者歴2年目。
編集者の働き方
新福:ジャンルによって全然違うんだろうけど、編集者の働き方ってなかなか想像できないところかもしれない。特に漫画は。まず、二人はいつも何時ぐらいに出社していますか?
佐藤:僕は大体11時半ですね。帰るのはだいたい20時~23時くらいです。忙しいタイミングではどうしても終電ぐらいの時間ですね。齋藤さんはどうですか?
齋藤:最近、生活リズムがめちゃくちゃなんですよね(笑)。
新福:(笑)。編集者は作家さんのペースに合わせないといけないからね。忙しい時期とそうでない時期だとどんな感じですか。
齋藤:落ち着いている時で、だいたい11時ぐらいまでに出社して、帰りは20時ぐらいで、忙しい時は朝9時に来て、22時半とかに帰る感じですかね……。
新福:大詰めの時は結構ハードだよね。齋藤さん、編集者にしては、ここ最近は朝はかなり早めな印象だけどこれはなぜですか?
齋藤:書籍業務の繁忙期だったんです。グループの別会社とのやり取りがあったりもするんですけど、ほかグループは就業時間が一般的な時間なので、そういう案件が立て込んでいる時期は朝早いですね。
新福:なるほど。書籍は確かに会社とのやり取りになるからね。
佐藤:編集者は裁量労働制だから、何時に出社してもいいので、閑散期になればある程度自由が利く。特に漫画編集者はそこが自由なことが、働きやすいなと思います。
新福:僕も漫画編集だけやっていた時は、だいたい12時~14時ぐらいに出社して18時ぐらいからようやく仕事のエンジンかかるみたいな感じだったかな。
齋藤:あ、私も普段は午後の方が仕事はかどりますね。1日かけて頭を起こしているのかもしれないです(笑)
新福:(笑)。今日ここにいない編集部員でも結構いろいろだよね。会社に4,5時間もいないとか。
佐藤:そうですね。校了前後は皆いますけど、校了明けてしまえば会社にちょっと戻って、打ち合わせをハシゴして……で直帰するとかもあります。作家さん合わせにしなければならないので。他の出版社だと、夕方16時にきて始発で帰る仕事のスタイルの人とかもいましたね。
新福:確かにそういう人は僕もみたことがある。後は大きな出版社の昔話として、15時に出てきて17時に飲みにでて帰る編集者がいたとか何とか……。
佐藤:まぁ帰るというより、作家さんと打ち合わせとして飲みにいってたんだと思いますけどね(笑)。
「ワークライフバランス」より「ワークアズライフ」。
新福:(笑)。ちょうど作家さん合わせで行動が変わるという目線があったので、話せればと思うんだけど、編集者って「仕事」と「私」の境目が曖昧かなと思ったりします。その点について二人はどうですか?
佐藤:曖昧ですね。個人的には分けられれば理想的だなと思いますが、連載前の作家さんは土日こそ顔見て会える機会だったりして。会って喋ったりとか、イベントに出てるから会いにいったりとか。そうしたい自分もいるので、実際は曖昧になっていますね。
齋藤:うーん…漫画に携わり始めると曖昧になるなと私は思いました。書籍を作ってる時は会社組織にいる方々とやり取りするので、世間的な平日休日は意識して進行しますから。
新福:やっぱり相手次第で動かなきゃいけない仕事だから、そこに寄り添う形にはなってしまうよね。そういう意味で漫画はどうしても「ワークライフバランス」より「ワークアズライフ」になってしまうので、そこを楽しめる人が向いているなとは思いますね。
編集者の仕事ってなんですか?
新福:この質問に答えるのは非常に難しい。編集者の仕事ってなんだろうね……。
佐藤:個人的には「本を作る司令塔」だと思っています。編集者が動くことで他の部署の方も動けるようになりますから。出版社を回すための、所謂エンジンを担う仕事だなと。なので、責任という意味ではかなり重大です……。
新福:エンジンがないと車は走らないわけで。一理あるかもしれない。齋藤さんはそもそも「編集」ってどういう仕事だと思って志望しました?「編集者として作家さんと一山当てたる!」とかは勿論あったと思うんだけど、何をしてそうなるかという点で。
齋藤:やっぱり「作家さんと話すお仕事」ですかね。もちろんお仕事していく上でいろいろな業務があるけれど、一番は作家さんとコミュニケーションを取って、お話を作っていくことが主務なんだろうなとは思っていました。
新福:仕事に実際は入ってみて、そこも含めてなにか印象は変わりましたか?
齋藤:始める前はどちらかといえば受け身の仕事だと想像していたんです。でも、実際は編集者がそれぞれ自発的に企画を立ち上げたり、作家さんへ自ら声をかけたりと、能動的に動くことが多くて。想像以上に現場ひとりひとりに裁量も持たされているなと思いました。
新福:そうだね。うちの場合は、そこに裁量は持ってもらっているね。
齋藤:あと、始める前でいえば、作家さんと会社の緩衝材になるのかなって思っていたんですけど……。
新福:板挟みにあう的なことね(笑)。
齋藤:そうです(笑)。良いものをつくるため、作家さんと会社の関係を円滑にすることが仕事なのかなと思っていたんですけど、実際はもっと挟まれるものがいっぱいありますね。いろんなところから圧力がかけられると言いますか。
新福:確かに、圧力鍋に入れられているような状態の時もある(笑)。その中には、佐藤さんが言っていた“編集者は責任が重い”っていう部分の圧もあるよね。でも圧力鍋を使った方が美味しくなる……みたいな感覚も個人的にはあったりはする。良い風に言うわけではないけど、適切なプレッシャーが良い作品を生み出す側面はあるんじゃないかなと。
佐藤:あと、編集者の仕事って実際は結構地味だったりしますよね。編集者になって最初の仕事は写植取りだったり、校正作業だったりして。
新福:「写植取り」は作家さんが作ってきた原稿に適切なフォントと大きさをフキダシ毎に設定する作業のことだね。「校正」は文字や絵に間違いがないか確認する作業。
佐藤:そうですね。スケジュール管理して、写植して、入稿して、出てきたものを誤字脱字がないかチェックして戻す、みたいな作業が実は大半。本質的には地味な作業がめちゃくちゃ多い仕事だなと思っています。
新福:元々の意味での編集者の仕事は完成したものを受け取ってからが業務で。「集めて」「編む」わけでまとめて本にするっていう仕事だからね。この第一歩目でやる「写植取り」の作業だけど、齋藤さんは初めてやってみた時にどう思いました?
齋藤:いざ漫画の写植を取ろうとした時って、普通の言葉ってどういうテンションのフォントを使うんだろうとか、どういう級数なんだろうとか、何もかもわからなすぎて。出てきた初校に先輩から「全部やり直した方がいいよ」って言われたことあります……。
新福:(笑)。ある程度どのフォントをどんな場面で使用するかのルールが編集部内にあったりはするんだけど、それでも選べる種類が多かったりするから迷うよね。
齋藤:慣れなんだろうなとは思うんですけど、ルールを自分の感覚に入れ込むまでがめちゃくちゃ大変だなって思います。
新福:マニュアルはあれど、それが全部にハマる訳でもないよね。あんまり定型として正解みたいなものが無くて、毎回現場に向き合うときに自分がいかに柔軟に対応できるか、受け止めきれるかが結構大事になってくる印象は僕もあるかも。自分で失敗をしながら、少しずつ解像度を上げて理解度を増していくのが大事だよね。
編集者の仕事量
新福:編集者のやること自体は多いんじゃないかなとは思うけど、どうなんでしょうね。
齋藤:いや、多いと思います。
佐藤:(笑)
新福:そうか(笑)。周りの友人とかと仕事の話をしていても多い印象ですか?
齋藤:会社にいる間での勤務時間で言えばそこまで差は無いと思います。ただ、編集職だと土日の連絡であったりだとか定時後や休みの日を使ってインプットする時間にあてることも仕事に含まれていると思うので、トータルで仕事として考えると多めかなって。
新福:仕事をどれだけ遊びに変えられるかみたいな感覚もあるよね。例えば作家さんと食事に行ったり、取材で海外に行ったり、これは仕事なのか遊びなのか……。
佐藤:それで言えば知り合いの作家さんに会いに漫画イベントに行くみたいなものもそこに含まれているかもしれませんね。仕事か遊びかの境目がつかなくなってくるところが多いです。
新福:だね。曖昧になってくる。
佐藤:もの凄く分厚い資料を作れとか、そういう仕事ではないんですけどね。例えば夜中に作家さんから電話がかかってきたりだとか、作品とは全く関係ないプライベートのことで電話がかかってきたりとかは普通にします。本当にピンチな時に作家さんが頼れる先って編集しかいなかったりしますから。
新福:まず自分に連絡をくれたっていうところに喜びを感じられるとさらに向いてるかもしれない。
佐藤:もちろん作家さんとの関係ってBtoBの関係ではあるんですけど、どこか友人関係とかにも近いものもあったりして。作家さんと知り合えたらいいな、みたいな打算がありつつイベントの打ち上げに参加したとして、それでも打ち上げの2時間は酒飲んで楽しくワイワイするだけだったりしますから。それって仕事か?と考えたりはします。
新福:そういう営みが自分の憧れてたものなんだって思える人はすごく向いていると思うよ。ただその反面、仕事とプライベートを完璧に切り分けた上で漫画作りにチャレンジする人も僕はいていいと思う。作家さんがその人を信頼できるかどうかが大事なんだと思うし。
編集者としてどんな指導を受けてきましたか?
齋藤:入稿の仕方とか、周りと連携を取っていくための連絡方法みたいな指導は勿論ありますね。ただ、編集者としてというよりかはビジネス的な指導だったイメージです。
新福:それも編集者の仕事のうちの一つだから大事じゃない(笑)。
齋藤:大事なんですけど(笑)。ただ、実際にどうやって漫画を作っていくのか、みたいな指導が色々あると思っていたのですごく難しかったです。今の編集部は、部員が「やりたいです」って言ったことに対して、「やってみなさい」っていうスタンスなんですけど、実際にどうやればいいのかみたいなところまでは、訊かない限りは口を出さない。良く言えば個人の裁量に委ねられているといいますか。
佐藤:悪く言えば、泳がされている(笑)。
齋藤:そうですね(笑)。なので、自分から「訊きたいこと」「解らないこと」を発見して、そこを先輩に聞きに行く。そして、その人の虎の巻をもらうみたいな仕事の仕方が大事だなと思って行動していました。なので、先輩から何かもらう・引き継ぐというよりも、自分がやりたいことや気になることについて、いろんな人の指導を集めて自分の中で編んでみる、みたいなのが近かったかもしれません。
新福:なるほど、反省しつつ今後の指導の参考にします(笑)。佐藤さんはどうでしたか?
佐藤:僕の場合は、あらゆる業務を徹底的に駄目出しされる形での指導でしたね。ネームから扉のアオリ、キャッチの位置からもう全てにもらう感じで。しっかり指導はあるんですけど、それはそれで辛かったですね。
新福:なるほど、スパルタ……僕なら辞めてしまうかも。僕の場合は、トイレの場所と自販機の場所だけ教えて貰って「以上!頑張って!」って感じだったから合ってましたね(笑)
齋藤:えぇ……(笑)
新福:勿論、基礎的な事は教えて貰いましたよ(笑)。齋藤さんほど考えて動けてなかったんだけど結果的に、僕は純粋に中堅・ベテランの作家さん達や先輩編集の仕事に興味があって。業務外で捕まえて彼らと長い時間を過ごすことで色々教わってたんだなと今は思いますね。
入社してから漫画制作開始まで
新福:入社してどのくらいから作家さんと漫画を作れるかという質問なんだけれど、人によって素質やその時点の力量もあるのでどれくらいかかるかは違うとは思う。制作開始までの期間が明確に決まっているとかではないから、どうやって自分が能動的に業務を覚えていくかみたいな話にはなるかな。大前提、作家さんにとって有用な存在になっていないと編集っている意味がないでしょうし。齋藤さんの場合はどうでしたか?
齋藤:私が入社した頃は会社自体ができて間もないタイミングだったのもあるかもですが、野に放たれるようにして1冊アンソロジーを作ることになりました。今はそれで良かったと思いますけど(笑)。
新福:いやいや…! 野に放つといっても「作家さんにリスペクトある行動が取れるか」「有用な存在になっているか」等はちゃんと推し量って「やってみなさい」とは言ってたんですよ。
齋藤:(笑)。自分で自分の仕事は作らなきゃいけない段階だったこともあり、一年目から企画を立ち上げました。そこで実務を“自分ごと”として経験ができたのはとても良かったと思います。
新福:なるほど。段階をしっかり踏んで制作に入っていくのと、いきなりやるのと、どっちがいいんでしょうね? 佐藤さんはどうでしたか?
佐藤:僕は早めにやらせてもらえるのであれば、さっさとやってみたほうがよい派ですかね。僕がこの業界に入って1冊目を作らせてもらったのは入社して9ヶ月目頃でした。その時の経験がすごい地になっている実感があります。人によるのかもしれないですが、本を作るっていう成功体験が後ろに伸びていくと、編集者としての面白さみたいなものを失っていってしまいそうで。この仕事の良いところって成果物が目に見える形で残るところにもあると思うので、早めに経験する方が良い気がしています。
新福:確かにそれはあるかもしれない。
齋藤:そういえば、アンソロ作ってる時に新福さんに「本当に大丈夫?」って何度も言われていた記憶がありますよ。でも企画通したのは新福さんで……。
新福:それはそうなんだけど、心配はしてたんだよ(笑)。
佐藤:まぁその辺は自分も入社しましたし、歴のある経験者も中途入社で増えているのでサポートしていかなきゃいけないところですよね。
新福:そうだね。新しく入社する方には、主体的にやりたい事はやってもらうのがいいのかなと思う。勿論、自分がやりたいことに対してある程度は冷静な判断もしてほしいけれども、かといってチャンスって自分が思ったタイミングでは絶対に来ないじゃないですか。だから、機会が与えられた時に飛べるやつでいた方がおそらくいいんだろうなと経験上は思う。
佐藤:編集者を生業としていく中で、作品制作に携われる時間って実は有限で。打席に立つ回数を増やさないと、当たりも掴めないという。どれだけチャンスを掴めるかは大事ですからね。
新福:そう。もちろん数が全てっていう話ではないんだけども、一つの作品だけをじっくり作って、他は一切やらないみたいなことが現実的に可能かどうかは考えたいよね。何も考えずにただ数増やせという意味ではなくて、考えながらより多くのチャンスを掴んでいくことが大切なんじゃないかなと。そういう意味では若いうちの積極性は有効だなと。
佐藤:実際に立ち上げるとなったら今は編集長のチェックを通過できるか否かが壁だったりしますけどね。
新福:そこは基本的には他も同じだとは思うけど、掲載するかどうかは編集長が最終チェックしているね。
佐藤:逆に言うとそこを通過できれば連載になるわけですから、戦う数は少ないですよ。
新福:そう。なので、1回の決裁で終わる。その壁が高いと思うのか、低いと思うのかは人それぞれだとは思うけど。
今の新人編集に求めること
新福:自分の好きな漫画やノベルだけじゃなく、「漫画」や「ノベル」そのものが好きで、新旧たくさんのものを読み耽ってきた経験があること。もしくは、深く多く思考できる賢さと馬鹿になって試行できる大胆さがあること。もしくは、波乱万丈奇想天外な人生を経てきてキャラが立っていること(笑)。とにかく、編集者は偏っていていい。偏ったレンズで世界をみる時のプリズムが重要。いい意味で、凸凹して尖っててほしいなと。佐藤さんはどうですか?
佐藤:強い好奇心ですね。僕は別に知識は浅くてもいいと思っています。ただ何事にも「これって何だろう」「どうなってるんだろう」っていう問いかけを常にやっていく仕事でもありますから好奇心がなければ厳しい。売れている漫画ってその好奇心から生まれてくるものが多かったりするので重要なのかなと。あとは漫画編集なら、やっぱり漫画が趣味にとどまっていなくて、生活の一部みたいになっている類の人は向いてるんじゃないかなって(笑)。
新福:確かに漫画が生活の一部になってるまで行くのは実は結構難しいんですよね。うちの編集部では現在、新人は「世の中に発売される漫画の第一巻、全部読もう」みたいな教育があったりします。実際に体験している齋藤さん。きついですか?
齋藤:きついです。大変です。
新福:(笑)。読むための筋肉って実はあるようでないんだよね。業界に入ってはじめて本当の量というか、仕事する人の量を読まないといけなくなる。だから今のうちから自分の好きな作品だけじゃなく、とにかくなんでも読んで自分なりの目線を持つ、みたいな感覚はもっておくといいかもね。編集者としては、老若男女固い柔らかい問わず作れるようにならないといけないのだから。
佐藤:とにかく世間で売れているものを肌に合わないと嫌厭していると、この仕事どんどん良くない方向に進んでしまうイメージがあります。
新福:佐藤さんがさっき話していた好奇心のところにつながってくるかもしれないけれど、ある種ミーハーでいることが大事だなと。ただ僕はどちらかといえば、世間で売れてるものを嫌厭し続けて逆張りでやってきているので逆張りでも良いんですよ! ただ逆張りなりに、嫌いなものを“好きな人間以上に熱心に読む”執着は必要です。齋藤さんはどんな編集者と一緒に働きたいですか?
齋藤:それこそ新福さん、佐藤さんのお話と被るところもあると思うんですけど、「やりたい」っていうことがある程度固まっている人の方が、楽しく仕事できるなとは思います。例えば、「漫画立ち上げたいんですよね」って漠然としたものがあるだけではなくて、「どんな作品がやりたいのか」となった時に具体性がある方がやっぱり嬉しいなと。それが正解とか、必ずうまくいくよというわけではないんですけども。
佐藤:あとはなんですかね。喋りが上手いとか、体力気力がしっかりしていることとか。ただ、全ての要素を持ち合わせるスーパーマンになる必要はなくて、これは「編集者っていろいろなタイプの強みを持ってる人がいますよ」というお話である気がしています。
新福:全ての要素を持つ必要なんかないですからね。出版社もいろんなキャラの編集がいないと作家さんに合わせることができないわけで。会社としてはその作家さんにきちんと合う編集者がいることが重要。だから今お話したものを、すでに持っている必要があるというよりかは、どれだったら自分にも素養があって伸ばしていけそうか、満たすことができるのかを探ると良いのかなと思います。