個人的な考えですが、編集者に向いている人って2パターンいると思っていて、ひとつはとにかく『自発性・積極性』があるタイプ。「1年目からどんどん作品立ち上げます」「とりあえず考えるより、まずはやってみます」みたいな人は、もちろん編集者に向いていると思います。どちらかというと感覚派ですね。もうひとつは、コツコツと仕事を丁寧にこなし、締切をきっちり守ることができるタイプ。努力の積み上げ方も手順通りにやっていく、そういう理論派な人も向いてはいると思います。
僕が思うのは、ひとつは熱量高く、かつ『真剣に遊ぶ』ことができる人ですかね。熱量が薄い遊び方は誰でもできるんですけど、熱量が高い遊び方は中々できない。また、『真剣に』というのも大事ですね。たかが遊びをどれだけ真剣にやって面白がれるか、そして面白がってもらえるかが肌感覚でわかる人は向いています。あとは、好奇心が絶えない人ですね。たくさんのモノや人に常に興味津々でいること。口が達者でなくても、おどおどしていても大丈夫です。好奇心があるうえで、さらに深く思索にふけることができると向いているかなと思います。
逆にこの人、向いてないなっていう人を探すほうが難しい気もしますね。強いていえば、『セルフ・コントロール』が苦手な人は結構厳しいかもしれません。編集者って作家さんとか、対・他人の体調やメンタル、スケジュールもそうだし、いろんなことをマネジメントしてあげないといけない仕事なんですよね。他人の面倒をみるということは、自分のことは自分で面倒を見られるということ。ちゃんと『セルフ・コントロール』できる人じゃないと厳しいかもしれないなって思います。
何かがわかったような気になってやらない理由を探す人とか、誰かに誘われても断ってしまう人は向いてなさそうだなと思います。作家さんとどう協働するんだろうなと思ったときに行動が想像しにくいので。また、質問①にも繋がりますが自分の時間をエンタメに費やして、真剣に遊べる人でないと厳しいかもしれませんね。作家さんと会話するための言語を持ってない人は厳しい。エンタメに関わる時間を「働いてる」と思うか、「こんなことやってお金もらっていいんだ」と思えるか。周りのすごい編集者達をみていても、後者で考えられる人が長続きしてるとは思うし、多分、それが資質なんじゃないかなと思ったりはしますね。
「どんなことにも興味を持てるかどうか」はありますね。例えば、「興味のないジャンルや作品の面白さが、自分ではあんまりわからない」ってなるときがあると思います。そのときに「読者が求めているのはわかっているから、読者の気持ちになって深く分析します」という人と、「わからないんで、興味を持つ気もないです、やらないです」って人だと前者の人が向いています。興味がないから手を出さない、そんな食わず嫌いな人はあんまり向いてないのかもしれませんね。